AROMA / SENSORY LANGUAGE

日本酒の
香り

バナナ、メロン、りんご。香りの言葉を入口に、日本酒を辿る。 分子の名前はその次でいい。AROMA ≠ ONE MOLECULE

日本酒の香りには、果実、花、乳製品、穀物、熟成、硫化物など、たくさんの言葉があります。

酒類総合研究所の清酒官能評価用語にも、バナナ、りんご、洋ナシ、メロン、いちご、柑橘などの果実様表現が整理されています。まずは「何を思い出したか」という感覚から入って構いません。

BANANAFRUIT-LIKE

バナナ様。清酒では酢酸イソアミルが代表的な標準見本として使われます。

MELONFRUIT-LIKE

メロン様も清酒の官能評価用語の一つ。ただし「メロン=一つの分子」と固定しません。

APPLEFRUIT-LIKE

りんご様。カプロン酸エチルは代表的な吟醸香成分の一つです。

BUTTERYDAIRY-LIKE / DIACETYL

バターや乳製品を連想する方向。ジアセチルは清酒官能評価でも標準見本のある項目です。

SULFURSULFUR-LIKE

硫化物様という評価語もあります。濃度や組み合わせで印象は大きく変わります。

FLORALFLOWER-LIKE

花様、バラ様など。果実とは別の軸で香りを捉える言葉です。

「バナナっぽい」と感じたからといって、その酒の香りが酢酸イソアミルだけで出来ているわけではありません。

香りの印象は、複数の揮発性成分の濃度、閾値、相互作用、アルコールや糖・酸を含む酒のマトリクス、温度などによって変わります。同じ成分があっても、全体のバランスで違う言葉に感じることがあります。

SENSORY LANGUAGE / CHEMISTRY官能表現は「人がどう感じたか」。香気成分は「何が含まれているか」。関連はありますが、分析なしに因果を断定しません。

清酒でよく参照される代表的な香気成分の一部です。これは香りの「辞書」であって、特定の商品を分析した結果ではありません。

酢酸イソアミルISOAMYL ACETATE
バナナ様の香りと結びつけて説明される代表的なエステル。清酒の官能評価でもバナナの標準見本として参照されます。
カプロン酸エチルETHYL HEXANOATE / ETHYL CAPROATE
りんご様などの華やかな吟醸香と結びつけて説明される代表的なエステル。
酢酸エチルETHYL ACETATE
エステルの一つ。清酒の官能評価では「酢エチ臭」として独立した標準見本があります。濃度によって印象が変わります。
ジアセチルDIACETYL
バター、乳製品を思わせる方向で語られることがある成分。清酒官能評価でも標準見本のある項目です。
ジメチルトリスルフィドDMTS
硫黄系の香りに関わる成分の一つ。酒類総合研究所の貯蔵研究では、熟成に伴い増加する例が報告されています。

SAT 001 / URAZATO

MELON

Melon Cotton Candy.では「メロンを思わせる明るい香り」と表現しています。これは官能表現です。

SAT 001 / 浦里酒造 →

SAT 002 / TSUCHIDA

BANANA / CACAO

Chocolate Banana Muffin.では「バナナやカカオを思わせる香り」と表現しています。成分分析による原因同定ではありません。

SAT 002 / 土田酒造 →

FERMENTATION PLAYGROUND / COMING NEXT

AROMA LAB

香りのモチーフと分子を、触ってつなぐ実験室。公開準備が整い次第、ここから接続します。

香りの分類と代表的な標準見本は、酒類総合研究所の清酒官能評価用語を基準にしています。熟成に伴う香気成分の変化については同研究所の研究成果を参照しています。